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【冷や汁レシピ】日本各地の郷土料理を紹介

日本各地に根付いた郷土料理

「冷や汁」と聞くと宮崎県の郷土料理のイメージが強いという方も多いと思います。

実は冷や汁の歴史はとても古く、宮崎県の地域で食べるようになったのは鎌倉時代だと言われます。

それが全国を旅歩く僧侶達によって一度は全国中に流布したものの、次第にすたれていき、どうやら夏の暑さが厳しい場所や、冷や汁にあった食材が採れる場所のみに「冷や汁文化」が残っていったようです。

「冷や汁文化」は、各地でその土地土地でとれる魚や野菜などを活用して、その土地の郷土料理として独自に発達してきました。

その独自性は使う材料や調理法や見た目だけでなく、名前さえも「冷や汁」とは違う名を使う地域もあります。

それでは全国各地に広まった人気の「冷や汁文化」の特徴を見てみましょう。

このページの目次一覧

【九州地方】基本にして王道「冷や汁」といえば宮崎県の郷土料理!
【中国・四国地方】広島県の冷や汁はコノシロを使う!酒の肴にも最高!
【関東地方】埼玉県の冷や汁はうどん県ならではの「すったて」
【東北地方】山形県の冷や汁はヘルシーで具だくさんなおひたし!?
日本全国の地方で地場の特産品を使った「ご当地冷や汁」があります!

 

【九州地方】王道「冷や汁」といえば宮崎県!

「冷や汁」は宮崎県の厳しい暑さにピッタリの人気料理です。

宮崎でも地域や家庭によって冷や汁の作り方・レシピは様々ですが、基本はいりこや魚のすり身ほぐし、炙った味噌、すりごま等を合わせたものをだし汁でのばし、仕上げに豆腐・キュウリ・青じそを入れ、冷えた麦飯にかけて食べます。

昔は収穫したお米はほとんど年貢にとられていたので、主に麦を食べていたんです。

そして麦飯を少しでも美味しく食べ、かつ栄養がとれるようにと考えられた食事が「冷や汁」だったわけです。

白米が主流の現代においても宮崎の冷や汁は麦飯で食べる習慣が残り、今では夏にぴったりで栄養も取れる健康メニューとして広く食べられているのですね!

「冷や汁」は、九州のほぼ全域ですでに江戸時代から食べられていたので、その地域によって使う魚もアジ・トビウオ・カマスと様々、ダシ汁も魚の骨・昆布、更に上にのせる野菜などのトッピングにも多くの種類が見られます。

 

ますきちオリジナル!冷や汁レシピを紹介します!

■材料(1人分)
・ご飯 約150g
・鶏ささみ 1/4本
・きゅうり 1/4本
・みょうが 1/4本
・大葉 2枚
・白すりごま 小さじ1杯
・おろしわさび お好みで
・かつお節 お好みで
・梅干し お好みで
・「ますきち 梅香る 冷や汁(ストレートタイプ)」 100ml

■つくり方
1)
「梅香る 冷や汁」と白すりごまを合わせて、冷蔵庫で冷しておきます。
2)
きゅうりは薄い輪切りにし、みょうがは縦半分に切って千切りにします。
大葉は縦半分に切って重ね、横に千切りにし、キッチンペーパーに包んで水洗いをし、アクを抜きます。
3)
鶏ささみはスジを取って観音開きにしてから熱湯で茹で、食べやすい大きさに裂いて冷ましておきます。
4)
器に盛ったご飯に 2のきゅうりと 3の鶏ささみをのせ、冷蔵庫で冷やしておいた1のだし汁をかけます。
5)
お好みでかつお節やおろしわさびをトッピングして出来上がりです♪

 

他にもあります宮崎近隣県の「冷や汁」

 

●大分県の麦焼酎を飲んだシメに最高!アジの冷や汁

シイタケ王国である大分では、地元のシイタケ師達が「手軽で栄養価の高い料理を」と作られた冷や汁が食べられています。 新鮮なアジをたっぷり使ってトロリと濃いめの冷や汁は、麦焼酎を飲んだシメとしてもぴったりです!

 

【中国・四国地方】広島県の冷や汁はコノシロを使う!

次は、広島の冷や汁の発祥についてのお話です。

広島県の海岸沿いや、島の多い瀬戸内で生まれたのが「早妻汁(さつまじる)」と呼ばれる郷土料理です。

忙しい漁師の生活から生まれたぶっかけ飯なので「早妻汁」という名前になったようですね。

この「早妻汁」とは、焼いてすりつぶしたコノシロ(こはだ)に焼き味噌を加え、魚の骨を煮出した汁でのばして作る料理で、冷や汁と言っても温かいごはんにのせて食べます。

漁師料理なので、もちろん魚はコノシロだけではなく、チヌ(黒鯛)、アジ、イワシ等、基本的に手に入った魚で調理します。

基本の冷や汁と違う点は味付きコンニャクを使うことと、すりつぶして使ったのと同じ魚の「づけ」を用意して最後に上にのせるという漁師町ならではの贅沢な食べ方です。

もちろんごはんなしで酒の肴としても大活躍です。

そもそもの「さつま」という名前は「薩摩の国(鹿児島)」から伝わったからその名になったそうです。

 

他にもあります広島近隣県の「冷や汁」

 

●愛媛県の冷や汁は鯛も使う

愛媛県宇和島市で食される「伊予さつま」は「こずな(アマダイ)」の焼身をつかった贅沢なもの。他にも薬味に陳皮(みかんの皮)を微塵切りにして使い、麦飯にかけていただきます。

「佐妻汁(さつまじる)」とも呼ばれますが、その由来はすり鉢で魚の身をすりつぶすには力が必要なため「夫が妻を佐けた(助けた)から」だと言われています。

 

【関東地方】埼玉県の冷や汁はうどん県ならではの「すったて」

埼玉県の川島町で生まれた冷や汁はうどんと食べる「すったて」です。
埼玉県は香川県についでうどん生産で有名な県で、そば・うどん店の数も全国2位の「うどん県」です。

川から水をひいて水田を作るのが難しかったこの地域では、長い日照時間を生かして小麦の生産が盛んに行われていました。

『朝まんじゅうに昼うどん』と言われるように、昔からお米の代わりに家庭でうどんを打って食べていたこの地域では、うどんのつけ汁として冷や汁が食べられるようになり郷土料理として定着しました。

「すったて」の味噌、ごま、夏野菜の組み合わせは、暑い夏を乗り切るための栄養バランスが良く、炎天下で重労働を行う農民が、時間や食欲のない時でも充分な栄養補給を行い、簡単においしく食べられる生活の知恵だったんですね。

「すったて」という名前の由来は、具材を「すりたて」で食べていたところからきているそうです。地域によっては「つったて」や「ひやしる」とも呼ばれます。

川島町の「すったて」は、冷や汁うどんとして、農林水産省主催の「農山漁村の郷土料理百選」の1つにも選ばれ、埼玉を代表する料理のひとつになっています。

海なし県である埼玉の冷や汁には魚は使いませんが、野菜たっぷりで栄養満点です。

食欲のないときでも、冷たい麺類だったらツルッと食べられてしまいますから、夏場の健康維持にもピッタリですね!

 

他にもあります埼玉近隣県の「冷や汁」

 

●群馬県のきゅうりを活かした冷や汁

群馬県では、「入山きゅうり」「高山きゅうり」などきゅうりの生産が盛んで、冷や汁にもきゅうりがふんだんに使われ、うどんやそうめんにつけて食べます。
作り方・レシピの特徴として魚は使わず、味噌を焼いたりもしないので火を使いません。

 

●栃木県の藤岡冷や汁は細麺でいただく冷や汁

栃木県栃木市の藤岡地域では藤岡冷や汁(ふじおかひやしる)の一風変わった甘じょっぱい味わいが好まれています。 名産のきゅうり・大葉・茗荷(みょうが)を薬味としてたっぷり使った藤岡冷や汁は「冷や麦」「そうめん」などの細めの小麦麺でいただきます。

 

【東北地方】山形県の冷や汁はヘルシー具だくさんなおひたし!?

山形県の置賜(おきたま)地方で食べられる冷や汁は、ここまで紹介した冷や汁とは異なり、汁物というよりは具だくさんの「おひたし」に近いかも知れません。

山形の冷や汁は、上杉謙信が出陣の際にふるまった陣中料理の献立の1つとされている歴史のある料理で、米沢地区(旧上杉藩)を中心に伝わっています。

少し前までは正月や結婚式など「ハレの日」に食べられる特別な料理でしたが、今ではこの土地の四季折々の食材を使って年間食べられる家庭料理になっています。

山形の冷や汁の作り方・レシピは、凍みこんにゃくか凍み豆腐、打ち豆(つぶして乾燥させた茶豆)、干し椎茸、干し貝柱、油揚げなどをダシで煮込み、そこに季節の旬野菜をおひたしにして加えるというもの。

おひたしに使われるのは、ほうれん草、白菜、小松菜などの他に、この地方ならではの食材である雪菜(別名かぶのとう)、小野川豆もやし、もって菊なども使用されています。

煮干しやカツオ節のダシに干し椎茸や干し貝柱から出たエキスが合わさり、海のダシと山のダシが凝縮された旨味成分のハーモニーが生み出す「ごちそう出汁」は、毎日食べたい絶品の旨さです。

 

他にもあります山形近隣県の「冷や汁」

 

●秋田県の銘水が生んだ冷や汁

秋田県雄勝郡の堀回(ほりまわり)地域の冷や汁は、火を使わない、キュウリ、シソの葉、ミョウガを味噌とだしで合わせたオーソドックスな冷や汁ですが、羽後町郷土かるたに「村人も医者も用いた 伊勢鉢の水」と詠まれる銘水「伊勢鉢清水」が使われており、澄み渡る清水が火照った体の熱を洗い流してくれます。

 

日本全国の地方特産品を使った「ご当地冷や汁」があります!

 

まだまだあります日本全国のご当地冷や汁

 

●愛知県の冷や汁は貝を使います

愛知県では「イボニシ」という貝をすりつぶして赤味噌でといた「ニシ汁」が食べられます。冷や汁というより味噌汁に近いですが、ご飯にもかけて食べます。

 

●静岡県の冷や汁「ガワ」

静岡県の冷や汁「ガワ」は、カツオやアジ等の生の魚を叩いて、梅・ねぎ・しょうが・玉ねぎ・にんにく等と混ぜて食べます。

農家や漁村で生まれ日本各地に広まり、その土地のものを使って現代まで進化しながら継承されてきた「冷や汁文化」。

それぞれの地域で使う食材やその作り方・レシピは違いますが、今も昔も「暑い夏を健康に乗り切るために食卓に欠かせない料理」という点は共通していますね。

そして、おいしい冷や汁を作る上ですべての地域の冷や汁に共通していることが「おいしい味噌を使う」という事です。

冷や汁は味噌に始まり味噌に終わるといっても過言ではありません。

素材と水にこだわったお味噌屋さんの味噌を使用している「ますきちの冷や汁」は、全国の地場の素材の良さを楽しんでいただけます。

厳しい暑さも、地場の素材を使ったご当地冷や汁で元気に乗り切りましょう!

 

ますきちの冷や汁について

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